
体外受精を前提に排卵誘発をする場合、現在頻用されているのは、内服のクエン酸クロミフェンです。製薬会社によって、クロミッド、セロフェンなど商品名はいろいろありますが、1錠に含まれているクエン酸クロミフェンはどれも同じで 50mgです。でも不思議なことに、人によってA社のクロミフェンはのみにくいけどB社のクロミフェンはOKということがあります。実は、クロミフェンには zuclomiphene と enclomiphene が混在しており、各社で若干比率が異なるそうです。投与された薬剤は徐々に排泄され体内濃度が減じていきますが、クロミフェンとして活躍するのは半減期の長い zuclomiphene です。私は、小粒で呑みやすく、zuclomiphene の比率が少し高いセロフェンを第一選択で処方しています。