
体外受精をする際、成熟卵子を採取することが大前提となります。そのため、外来診療で卵胞発育を血中のホルモン値や超音波検査で監視していきます。卵胞(卵子が入っている袋)が成熟するとその直径は約20mm、血中エストラジオールは卵胞1個あたり200から300pg/mlに達します。「卵胞の大きさを葡萄でいうと、50%ほど育った卵胞はデラウェアくらいで、成熟卵胞は巨峰かマスカットくらいになります。」と、私は外来でよく例え話をします。
最近、シャインマスカットという新しい品種が注目されているようです。糖度が20度以上で皮ごと食べれて、種もありません。葡萄は種がない方が食べやすくていいのですが、本当の卵胞の中には良好卵子が入っていないと困ります。ホルモン値が正常でも、時々卵子が消失してしまった「empty follicle」が発育して採卵時に卵子が回収できないこともあります。