初期胚(分割胚)あるいは胚盤胞を移植した後は、ドキドキしながら妊娠の判定日をお待ちになられると思います。移植した細胞が元気に増殖して絨毛という細胞が作られ、子宮内膜細胞とコネクションを持った時点で着床成立、つまり妊娠のスタートとなります。絨毛細胞は、チューリップの球根が土中に根をはって水分や養分を取り入れるように、子宮内膜から栄養分を吸収すると同時に新陳代謝による老廃物とホルモンを排出します。物質交換する場所が作られるわけで、将来の胎盤の一部になります。この絨毛から生産されるホルモンをHCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)といい、早期の妊娠判定に利用しています。
HCGは尿中にも検出されますが、血液の方が正確で定量できて、絨毛の元気さに比例して増加していくため妊娠の予後の診断にも役立つので、体外受精をしている施設では血液検査をすることが多いと思います。
上の写真は、胎嚢の周囲に付着している絨毛です。