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黒いもじゃもじゃ

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移植をされた患者さんの中には、緑の矢印ような黒い物体が
自分の受精卵にくっついていて、「何だこれは!?」 と不安に思ったことがある方もいるかもしれません。実はこれは卵子が成熟するために必要な養分を、 卵が取り込みやすいように処理する細胞です。卵の周りにはぐるっとくっついています。もちろん、卵が成熟してしまえば必要なくなるので、自然に卵からはがれていきます。私たち培養士は、卵の受精を確認するときに、この細胞をはがすのですが、中にははがれにくいものもあります。そんな時、受精が確認できるくらいはがせれば、あとは無理にはがそうとして卵にストレスを与えるより、自然にはがれてくるのを待っているほうが、卵にはやさしいと考え、そのままにしています。ですので、このくろいもじゃもじゃは悪いものではなくて、実は影の立役者なのです。あまり驚かないで、御苦労さまという気持ちで見守ってあげてください。

 

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