labo report

もどかしさ
私たち培養士は、採卵後から、卵子や精子の状態を逐次、患者さんに説明していきます。採卵当日には、必要に応じて卵子と精子のお見合い(媒精)のさせ方を相談します。さらに採卵翌日には、きちんと卵子と精子が合体(受精)できたか、翌々日には、細胞分裂が始まったかをお電話で報告しています。胚盤胞移植もポピュラーになりましたので、培養経過も複雑になり、移植や凍結の計画も合わせて、報告する内容がとても多くなってきました。
体外受精を受けられる方にとって、卵子・精子の状態、受精成立、初期胚・胚盤胞の発育状況は、とても大切な一大関心事です。でも、たまに、採れた卵子の状態から、今後の受精・初期胚・胚盤胞までの経過予想を要求されて、答えに困ってしまうこともあります。これまでの膨大な培養経験やデータから、いろいろ戦略を考えてベストを尽くそうとしているのですが、機械と異なり、生物(細胞)は本当に予測不能の局面があります。もし、期待・予定どおりの説明や報告ができなくて、もどかしい時があっても、一生懸命心を込めて培養していきますので、どうか許してくださいね。
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