通常、ヒトの細胞は性別を決めるための性染色体を2本持っています。
しかし、卵子、精子それぞれは性染色体を1本しか持ちません。どうし
て1本になるかというと、2本づつあるいは片方が2本の性染色体をもっ
て受精をすると、その受精卵は性染色体が3本や4本になり、染色体
異常疾患となってしまいます。そうならないために、卵子や精子は2本
から1本になるため、減数分裂という細胞分裂を行い、受精に備えます。
また、性染色体だけでなく、他の遺伝情報をもつ常染色体に関しても
同じで、染色体の不足や過剰は染色体異常疾患に繋がります。
少し難しくなりましたが、減数分裂を簡単にいうと、染色体が多くなり
すぎないように、細胞質の中にある染色体を2つにわけ、半分を細胞
質の外に放り出すという作業です。放り出されたものを極体といい(緑
の矢印)、これが確認できるたまごが成熟している卵子ということです。
つまり、極体が見えないたまごは、まだ減数分裂が完了しておらず、
精子を受け入れることができないのです。