一度の採卵で移植できる胚が複数確保できた場合、移植した後に残った胚(余剰胚)は凍結して保存しておくことができます。凍結するステージは初期胚(day2またはday3胚)と胚盤胞の2つから選択できます。
次の治療のために確実に凍結胚を残しておきたいときは、初期胚凍結をおすすめすることが多いです。胚盤胞凍結の場合、、すべての胚が胚盤胞になるわけではないので、胚盤胞まで育たずに凍結できなくなる可能性があります。しかし、胚盤胞にまで成長した胚は妊娠率が高いといわれているので、胚の生命力を見極めたいと思うときにチャレンジしてみるのもよいと思います。
基本的には初期胚のグレードをお伝えして、どちらのステージで凍結するかを移植の日に決めてもらっていますが、分割状態によっては培養士のほうで胚盤胞培養をおすすめすることもあります。
わからないこともたくさんあるかと思いますので、お気軽に培養士に相談してくださいね。
顕微授精をする際、卵子が成熟しているかどうか見極めてから行います。なぜかというと「卵子の成熟とは...」の回でもお話ししましたが、成熟していない未熟卵子は、減数分裂が完了していないため精子を受け入れることができません。成熟卵子には極体という印があるので、これが確認できれば顕微授精を行います。印がなく未熟卵子の場合でも、一晩お預かりして培養することで成熟卵子になることがあります。成熟すれば顕微授精を行いますので、採卵でせっかく採れた卵子が未熟だったとしても、あきらめずに待ってあげてくださいね。