卵子が排卵されるまで
前々回卵子の元となる原始卵胞のお話をしましたが、今回はその続きです。
20~30万個ほどに減った原始卵胞は思春期になると、日々いくつかが成長を始めます。そして成長を始めて約65日後、ちょうど月経周期がめぐってくると下垂体から分泌される卵胞ホルモンの影響を受け、さらに大きく成長していきます。このように、成長を始めた卵胞すべてが月経周期にエントリーされるわけではなく、ちょうどホルモンの影響を受けられる大きさになったものだけがエントリーされます。そのため、1度の月経周期にエントリーされる卵胞は10数個ほどだとされています。また、その10数個の卵胞も成長の度合いが異なるため、大きさが揃っているわけではありません。その結果、最終的にはこの中で1番大きく、1番ホルモンに対して反応の良かった1個が大きく成長し排卵されます。それ以外の卵胞はこれまでのように自然と数を減らしていったり、排卵に向けて成長を始めても途中で成長が止まり体に吸収されたりします。
このようにして初潮から閉経までの間に排卵される卵子の数は400~450個ほどだといわれています。つまり、排卵される卵子はすべての原始卵胞のうちのほんのわずか、約5万分の1個ほどなのです。