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卵子が排卵されるまで

前々回卵子の元となる原始卵胞のお話をしましたが、今回はその続きです。

 

20~30万個ほどに減った原始卵胞は思春期になると、日々いくつかが成長を始めます。そして成長を始めて約65日後、ちょうど月経周期がめぐってくると下垂体から分泌される卵胞ホルモンの影響を受け、さらに大きく成長していきます。このように、成長を始めた卵胞すべてが月経周期にエントリーされるわけではなく、ちょうどホルモンの影響を受けられる大きさになったものだけがエントリーされます。そのため、1度の月経周期にエントリーされる卵胞は10数個ほどだとされています。また、その10数個の卵胞も成長の度合いが異なるため、大きさが揃っているわけではありません。その結果、最終的にはこの中で1番大きく、1番ホルモンに対して反応の良かった1個が大きく成長し排卵されます。それ以外の卵胞はこれまでのように自然と数を減らしていったり、排卵に向けて成長を始めても途中で成長が止まり体に吸収されたりします。

このようにして初潮から閉経までの間に排卵される卵子の数は400~450個ほどだといわれています。つまり、排卵される卵子はすべての原始卵胞のうちのほんのわずか、約5万分の1個ほどなのです。

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第48回北陸生殖医学会学術総会~その2

先日、北陸生殖医学会学術総会がありました。北陸(おもに石川県ですが)の不妊治療を行っている病院や大学病院の発表でした。当院からも発表がありました。

同じ北陸にあっても、普段どんな治療を主になされているのか、また妊娠向上のための試みにどんなことをされているのかを伺う機会はありませんが、この学会では、それを聴くことが出来ました。この学会は金沢で開催されるので、当院のほとんどの培養士が参加し、その後の意見交換などで毎年いろんな形で刺激を受けています。

毎年、百万石まつりと同じ日に開催されるこの学会は、少し興奮した気分で会場から出るとすぐ、まつりの雰囲気が残る金沢の街になります。学会の主催者の方は何かの思惑があって、まつりと同じ日に開催されているのかなと、学会で興奮した気分そのままで帰路につきました。

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卵子の大元となる細胞

卵子の大元となる細胞を、"卵祖細胞"といいます。

まだ お母さんの子宮の中にいる頃に作られ始めます。

妊娠6ヶ月頃 約500~700万個ほどになり、この時期が最大となります。その後は自然に減少し、出生前には約200万個ほどになります。

そして、卵祖細胞から少し成長した"卵母細胞"となり卵巣の中で、長い長い眠りにつきます。

 

生まれる時は、この卵母細胞(約200万)と共に生まれるのです。

生まれた後も、この卵母細胞の自然減少は止まりません。

7歳頃には50万個、思春期には20万~30万個ほどになります。

そしていよいよ月経が始まると、目覚めた卵母細胞が発育し、"卵子"が排出されます。

まさに10数年間の眠りから目覚めた、"卵子"の誕生です。

 

"卵母細胞"は、"長生き細胞"です。自分と同じように年を重ねています。

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防災訓練から

4月上旬に、当院にて防災訓練が行われました。訓練の様子はdoctorのブログにも載っていますが、先日の地震のこともあり、熱のこもった訓練になりました。事前に、いろいろ手順をおさらいし訓練に臨みましたが、実際に行うと様々な発見があり、訓練の必要性を再認識しました。

体外受精の情報は、いろんなところに溢れています。その1つとして、胚のグレードがあります。このグレードは、ある程度目安になりますが、やはりそれが全てではありません。体外受精も実際に行うことで、いろいろな気づきがあったりします。

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透明帯の役割

前回AHのお話で透明帯の役割について少し触れましたが、今回はもう少し詳しくお話したいと思います。

 

透明帯とは卵子の周りを覆っている糖たんぱく質の膜です。

透明帯にはいくつかの役割があり、その1つが受精における先体反応の誘起と多精子受精の阻止です。受精において精子が卵子に入り込む際、精子の先端から酵素が放出されることで精子が透明帯を通過し卵子に入り込むことができるようになりますが、透明帯はこの先体反応を引き起こす働きがあります。また、1匹の精子が卵子に入り込むと透明帯が変化し、他の精子が侵入できないようにすることで多精子受精を防いでいます。

そして、前回お話したように分割期にある胚の細胞がばらばらにならないよう囲い、さらには周囲からの悪影響を受けないように胚の中身を守ってくれています。このように、透明帯は卵子ができてから胚が子宮壁に着床するまでの間、胚を外界から守り、保護する役割をも担っています。

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